露草(ツユクサ)

 ツユクサ科ツユクサ属の一年草。空き地や道端など、どこでも見かけることができる。初夏から秋口にかけて、一つの苞から、複数の花をつける。苞を開くと次の花の蕾が控えている。この異常気象で今でも真っ盛りだ。露草の他に、鴨跖草、月草、着き草、蛍草、帽子花、青花、藍花、移し草、鎌柄等、さまざまな別名を持つ。各地域で人々に密着し、親しまれた証だろう。季語は秋とか。

露草の貝合わせ

 花から染料を取ったと言われるが、小学生の夏休み自由研究では手に負えないくらいの花の量が必要だった。なんとかわずかな液体を取り出せたが、そのまま液体で保管していたら学校が始まる頃には違う物になっていた。花を絞った後の布が綺麗な青い色をしていたのを何となく覚えている。染料として使われるのはもっと大型の青花という花だとか。栽培種とのことだが、恥ずかしながら見たことがない。浮世絵版画では絵の具としても使われていた。古い浮世絵で月代(さかやき)の所(男性の頭頂部、頭髪を剃り上げた所)が薄茶に刷られたものがある。どうやらそれらしい。薄茶は退色した色だが、刷られた当初は鮮やかな露草色だったとか。また、紅と混ぜて紫としても使った。

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