源氏物語 第四十九帖 宿木より 匂宮、琵琶を弾く 其の二

 この絵も隆能源氏を参考にした。宇治十帖を選んだのにはまだ理由がある。主な舞台は宇治の山荘だ。主人の性格上、建物は質素な造りで高欄などは少ないはずだ。今でこそ、それほど苦とは思わないが、描き始めた頃、高欄は高いハードルだった。高欄だけならまだましだが、高欄付きの簀縁に人がいた場合、簀縁を描いてから人物を描く。その上に高欄の地色の具の黄土を塗って具墨で線を細く描き起こす。文章で書くとなんという事は無いが実際にやってみると思うように行かない。あの頃の私の技術では、具にした黄土はコテコテに盛り上がり、線描は途切れ途切れでガタガタになる。

源氏物語 第四十九帖 宿木の貝合わせ
片側の貝に描かれた同じ構図の絵

 この絵も隆能源氏を参考にした。宇治十帖を選んだのにはまだ理由がある。主な舞台は宇治の山荘だ。主人の性格上、建物は質素な造りで高欄などは少ないはずだ。今でこそ、それほど苦とは思わないが、描き始めた頃、高欄は高いハードルだった。高欄だけならまだましだが、高欄付きの簀縁に人がいた場合、簀縁を描いてから人物を描く。その上に高欄の地色の具の黄土を塗って具墨で線を細く描き起こす。文章で書くとなんという事は無いが実際にやってみると思うように行かない。あの頃の私の技術では、具にした黄土はコテコテに盛り上がり、線描は途切れ途切れでガタガタになる。
 隆能源氏には高欄がついている。ここにきれいな高欄を描ける自信が無かったし、下手なものを描くと全てがぶち壊しになりそうだった。場所は紫の上ゆかりの二条院、チャチな造りなどはあろうはずも無いが、二条院でも高欄の無い所もあるんじゃ無いかなと、見てきた人もいないし。

 高欄はこのあと手習の建物で初挑戦だ!

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