桔梗〈キキョウ〉

 キキョウ科の多年草。山野の日当たりの良い所に自生すると言うが、実際に山野ではお目にかかったことが無い。日本全土から朝鮮半島、中国、東シベリアにまで分布するらしいが日本では絶滅危惧種に指定されている。もちろん自生株の話で、公園や庭先などでは身近に見ることができる。

桔梗の貝合わせ

 私のバイト先の建物のちょっとした空き地にも季節になると花をつけていた。が、なぜか最近は見ない。日当たりが悪いのか、水はけが悪いのか、環境が合わないと非常に弱い花なのかもしれない。そう思うと愛おしい。
 古くから栽培され親しまれてきた。江戸時代にはかなりの品種があったらしい。北斎が色々な桔梗の浮世絵を描いている。しかし、明治の中頃には途絶えてしまったという話だ。根は喉の薬として漢方薬に使われる。

夏から秋にかけて花をつける。季語は秋。

なお、万葉集で山上憶良が詠んだ、秋の七草の歌の朝顔に該当すると言われている。
1537: 秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七種の花
1538: 萩の花尾花葛花なでしこの花をみなへしまた藤袴朝顔の花

 実際の花はこんな色はしていない。もっと淡い青紫色をしている。これは買ったばかりの群青を使ってみたくて描いた。

コメント