箔盤を作る〈二〉

  材料が揃ったら作業開始だ。作り方は至って簡単だ。寸法で切ったパーツを丁寧に接着剤で貼り付け組み立ててゆく。白い箱の素材はタモ。天板は杢だ。蓋の側面と土台はタモを寸法でカットしたもらった。土台を一枚板にしようかと思ったが、気密性が高いと蓋の開閉に金箔が動くような気がしたのでこのようにした。もっとも私の工作で気密性が上がるとは思わないが用心に越したことは無い。行き当たりばったりなのでごくまれにぴっちり作れてしまう事がある。箔盤を止める桟にはチークの角材を用意した。この色の組み合わせはとても気に入っている。最後に天板を貼ってまわりをサンドペーパーで磨いて仕上げた。



 鹿革はディアスキンを使った。土台の板、脱脂綿、フェルト布、鹿革と重ね、少しクッションを付けた。後で張替がきくように市販のでんぷん糊で皮を取り付けた。サンドペーパーで皮の表面をならして完成だ。肝心の切れ味だが、次回だ。


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